8月31日に経済産業省から、令和5年度概算要求等が公表されました。概算要求とは、各省庁が毎年8月末までに、財務省に提出する翌年度の予算要求のことをいいます。各省庁から来年度はこんなことをやりたいので、これだけの予算がほしいと予算案が出されます。それを財務省がとりまとめ、その予算案をもとに財務省と各省庁の間で議論、調整が行われ、12月に閣議決定し、翌年から国会審議を経て、3月中に翌年度の予算が可決、成立との流れになります。
経済産業省から出された令和5年度概算要求から、中小企業に対してどういった施策・対策が行われようとしているのかの概要が見えてきます。
同時に出された資料「中小企業・小規模事業者関係の概算要求等のポイント」を見ますと、中小企業対策費として来年度は1343億円(今年度予算1095億円)を要求しています。
要求している当初予算の中で、事業承継・引継ぎ支援事業(事業承継・引継ぎ補助金)とJAPANブランド育成支援等事業(JAPANブランド育成補助金)が盛り込まれています。この2つの補助金については今年度に続いて来年度も実施される予定です。
今年の事業承継・引継ぎ補助金については、令和3年度補正予算「生産性革命推進事業」にも盛り込まれていただめ、令和4年度当初予算事業承継・引継ぎ補助金と令和3年度補正予算事業承継・引継ぎ補助金が実施されています。
補正予算は概算要求とは別に組まれますが、「令和5年度経済産業政策の重点」の4ページを読むと、「コロナ禍のため業況が厳しいもしくは事業再生に取り組む中小企業等を支援する事業再構築補助金(令和2年度三次補正:1兆1,485億円、令和3年度補正:6,123億円)や中小企業等の設備投資・販路開拓・ITを導入する生産性向上補助金(令和元年度補正:3,600 億円、令和2年度三次補正:2,300 億円、令和3年度補正:2,001 億円)を活用して、引き続き事業再構築・生産性向上に取り組む」と記載されています。ここから、小規模事業者持続化補助金、ものづくり補助金、IT導入補助金、事業再構築補助金が来年度も補正予算にて実施しようとしていることが推測出来ます。
また事業再構築補助金については、この「令和5年度経済産業政策の重点」の7ページに「事業再構築補助金(令和3年度補正等)によるグリーン枠の活用やグリーン調達の取組など、中小企業等に対する脱炭素取組やグリーン分野への中小企業の事業再構築の支援を行う」とあります。ここから来年度も事業再構築補助金が実施された場合、「グリーン成長枠」は継続されそうだということが読み取れますが、他の申請枠について、特に第7回公募から新しく設けられた「緊急対策枠」の扱いが注目されます。
今回は、先日公表された経済産業省の概算要求から、来年度、実施される補助金についての推測を記載させていただきました。これから年末に向けて、来年度の予算についての報道等が多くなってきます。そこから事業者様にお伝えすべき情報がありましたら、このブログで発信させて頂きます。