ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援する制度です。補助金名に「ものづくり」と入っているので、製造業しか申請出来ないのではないかと思われがちですが、そんなことはなく、小売業や飲食業などでも採択されています。
ものづくり補助金においては、基本要件の中に
①事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。
②事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を、毎年、地域別最低賃金+30円以上の水準とする。
を満たす3~5年の事業計画を策定することが必要とあります。
※付加価値額に関する要件もあり。
①の給与支給総額については、その年ごとに満たす必要はなく、3年計画であれば3年目の給与支給総額が基準年と比較して4.5%(1.5%×3)増加していれば大丈夫です。
ただ②については、地域別最低賃金が毎年改定されます。従って、事業計画期間内では補助事業を行う店舗や事務所・工場等で一番低い賃金の方が地域別最低賃金+30円の水準になっているか注意する必要があります。
補助事業終了後5年間は、事業化状況報告というものを国に提出します。その中で、①、②の賃上げに関する要件が満たせているか、決算書及び3月の賃金台帳で国は判断します。
従ってこの事業化状況報告を行う間は、きちんと要件通りの賃上げが出来ているか、決算書や3月の賃金台帳にそのことが反映されているかご確認ください。
事業化状況報告の時に、賃上げ要件が満たせていないと、補助金の一部を返還することになります。
ただし、付加価値額が計画通りに増加しなかったり、天災など事業者様の責めに負わない理由がある場合は、補助金の返還が免除される場合があります。
また
①事業計画期間において、基本要件である給与支給総額を年率平均1.5%以上増加に加え、更に年率平均4.5%以上(合計で年率平均6%以上)増加
②事業計画期間において、基本要件である地域別最低賃金+30円以上の水準とすることに加え、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を毎年、年額+45円以上増額
と大幅な賃上げに取組む事業者については、従業員数に応じて100万円~1000万円の補助上限額引上げの特例があります
ただし、「回復型賃上げ・雇用拡大枠」での申請及び各申請枠の補助金額の上限額に達しない場合、又は再生業者、常勤従業員がいない場合は、この特例を受けることが出来ません。
事業計画期間内で特例で定めている賃上げ要件が満たせなくなった場合、特例で受けた補助上限引き上げ額分については返還しなくてはいけません。
そのため、この特例を申請する際には、事業計画期間で大幅な賃上げを出来るだけの利益を上げることが出来ると十分に検討することが必要です。
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